プロセス事例 vol.6
リフォーム会社選びのポイントを「失敗談」から学ぶ
- デザイン
- 間取り変更
- 家全体
- マンション
- 500~700万円未満
- 東京都
東京都 S様邸
リフォームのポイント
リフォームの概要
物件種別 | マンション |
---|---|
リフォーム費用 | 万円 |
リフォームの内容 | フルリフォーム |
ご家族 | ご夫婦 |
引越し日時 | 2018-06-20 |
STEP 01
1日目~2ヶ月目
リフォームの検討・最初の会社選び
マンション購入当時から考えていた計画的なリフォーム
15年程前、立地の良さと相場より手頃な価格に惹かれて、新築のマンションを購入したS様。
「自分好みの家に住みたいという夢はずっとありました。でも、新築マンションを購入して直ぐにリフォームする訳にもいかず…(笑)。その時期が来たら絶対にリフォームしようと、専門誌を購読するなどして自分の夢をかためていきました」
今回、住み始めて15年程経過したタイミングで、本格的にリフォームの検討を開始されたそうです。
自分の夢を実現してくれる(はずだった)リフォーム会社との出会い
取り溜めていたリフォームに関する沢山の資料から、自分好みの「これは」と思う3社に絞って設計や見積りをお願いしたS様。
「自然素材にこだわり、造作の多いプランを望んだのですが、大手リフォーム会社のその担当者さんは、それ程細かい要望に対応してくれませんでした」
「中堅のリフォーム会社から出てきたプランは、デザイン面に偏向し過ぎている様に感じました。やっぱり住み心地も大事なのでそうお話ししたのですが、あまり積極的に取り込んでくれなかったですね…」
「その点T社さんのプランは、デザインと使い勝手のバランスが良く、またオリジナルの造作工事をたくさん取り入れているにも関わらず、他より2割以
STEP 02
3ヶ月目(契約)~6ヶ月目(着工)
ご契約・着工まで
長年の夢がカタチになる、ワクワクする作業でした
T社にお願いする事を決めてから、その後のプランの打ち合わせは、とても楽しいものだったとS様は振り返ります。
「担当である社長さんから、新しく設計の方を紹介されてプランの詳細を詰めていきました。早々に着工日を決めて、それに向かって着実にカタチになっていくのが嬉しかったのを覚えています」
しかしながら、当の担当である社長さんからは工程表の提示がないまま工事がスタートします。
着工後は、解体だけで1ヶ月以上かかったり、突然工事がストップしたり。次第にS様の中で不安が広がっていきますが、初めてのリフォームだったので「こんなものかな」と自分を納得させて過ごしていたそうです。
STEP 03
(倒産発覚)~1年2ヶ月目(新契約)
倒産の発覚とその後対処
度重なるトラブルと約束反故。確信を抱きつつも通知が来たときは「まさか」と思った
その後も工事の進行は悪く、あまり進んでいる様子がありませんでした。
そんなある日、現場を見に行った際に電気配線が設計と全く違う事に気付き、ついに怒りが爆発。
「とにかく工程表を作成するよう強く訴えました。ところが、やっと提出された工程表は素人目にも杜撰さが分かるもので、直ぐに再提出を要請しました」
再提出をお願いしていた当日。待ち合わせ時刻になっても姿を見せないだけでなく、会社にも連絡がつかない状況に焦ります。
「不信感」からだんだん「不安」へと変わり、最悪のケースを想定してトラブルやクレームを専門に扱う公的機関にも早めに相談されたそうです。
…後に、T社弁護人と名乗る
疑いながらも信用できる会社を見つける難しさ
前述の専門機関「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」から紹介された弁護士会に問い合わせ、アドバイスを頂きながら自身で工事を引き継いで貰えるリフォーム会社を探し始めます。
倒産した会社の「プランだけ」は気に入っていたS様。1回目の会社選びとは異なり、工事の途中からであっても設計通りに「着実に工事を行ってくれる」事を重点におきました。そしてもう一つ、同じ失敗を繰り返さない為にも、健全な経営を行っている会社である事。
以上をふまえて、会社選びのポイントにしたのは下記の3点。
①リフォーム瑕疵保険を扱う団体に加盟している事。
②地元の企業である事。
③国土交通省が管理している建設業登
【解説】建設業の許可とは?
企業がリフォーム工事を請け負う場合、軽微な工事を除きまして、
「国土交通大臣建設業許可」
「都道府県知事建設業許可」
のいずれかを取得する必要があります。簡単に申し上げますと、リフォーム業を行う会社の「免許」の様なものですね。
あまり一般の方には知られておりませんが、この建設業許可を取得している企業は、その財務状況や事業報告の提出が義務付けられておりまして、その内容は一般の方にも公開されております。
弊社の様に、国土交通大臣の建設業許可であれば、さいたま新都心にあります「関東地方整備局」にて閲覧頂く事が可能です。
2度目のリフォーム会社選び。山商リフォームサービスと契約へ
倒産の通知を受けた直後は精神的にかなり不安定になり、眠れない日々が続いたそうです。
「山商さんと契約まで至った時には、本当にホッとする事ができました」
S様のお話しでは、倒産発覚の時点で工事の進行よりもかなり多くの金額を支払ってしまっていたとの事。
「工事が途中でストップしたり、あまり進んでいない時期にも費用の請求が来ました。不安な気持ちもあったのですが、担当者である社長さんとの信頼関係が壊れる事を恐れて、請求を拒む事ができなかったんです。今思うと、工事の進捗をきちんと説明させる等、何らか対処をした上で支払いを行うべきだったと後悔しています」
その他にも仮住まいの費用、荷物を
STEP 04
1年3ヶ月目(再着工)~
引き継ぎ工事の概要
木下地工事
今回の引き継ぎ工事において、当初から慎重な姿勢を取らせて頂いた弊社ですが、実現に向けてお話しが前向きに進めた要因として、大工さんのご協力がありました。
もともとは倒産してしまったT社からの依頼で、現場に入っていた大工さんですので、この方も「被害者」の1人なのですが、S様宅の木工事をそのまま担当して頂ける運びとなりました。無垢材に詳しい知識が必要な作業でしたので、大工さんの存在は大きかったです。
羽目板施工
玄関からリビングにつながる廊下には無垢材の羽目板を施工。1枚ずつ丁寧に張りつけていきます。
無垢フローリング張り
フローリングにも無垢材を採用しています。傷が付きやすい為、大工さんが行う作業工程の最後に行います。
材料は早めに搬入して開封し、空気に慣れさせておきます。板1枚1枚に癖があり、床にも多少の歪みがある為、少しずつ調整しながらの作業です。
タイル施工
水まわりや玄関、リビングの一面にはタイルを貼りました。無垢材や漆喰のナチュラルな雰囲気にもマッチするような、かわいらしい雰囲気の物を選んでいます。
ここまでくると工事完了まであと一歩です。
塗装工事
無垢の造作材や内装材に、クリアの塗装を行ってコーティングしていきます。実は今回、この塗装工事においてS様より仕上がりの面でご指摘を頂いた箇所があり、やり直し工事が発生してしまいました。
S様との現場打ち合わせ/漆喰施工
いよいよ工事も終盤です。お部屋を全面的に養生して漆喰を施工していきます。壁の面によって模様や色味を微妙に変化させて施工しました。変化を付ける境目など、細かい部位はお客様と現場で打ち合わせしています。
建具建て込み
今回設置した扉は、全て無垢材で造作しております。大工さんが現場で一から枠を作り、建具職人さんがその寸法に合わせて扉を作ります。写真は作成した扉サイズの微調整をしているところです。
STEP 05
1年6ヶ月目
ついに完成!
リフォームの検討開始から追いますと約1年半、2回に渡るのリフォーム会社選び。S様にとっては非常に永い期間だったと思いますが、ついに念願の住まいが完成致しました。
担当者より
今回は特殊なケースでしたので、私自身不安がなかったと言えば嘘になります。ただし、木工事については前任の大工さんに引き継いで頂けたので心強かったです。
幸いにも、実は私自身が同じマンションで3件の工事実績がありましたので、その経験を生かしつつ、そして何よりも、お客様の力になりたいという想いで今回のリフォームに臨みました。
設計図面を始めて受け取った際は、自分には決してないアイデアが盛り込まれおり、沢山の驚きがありました。途中、是正工事もありS様にはご迷惑をお掛け致しましたが、今は無事にお引き渡しができてホッとしています。
この経験値を今後に生かしていければと思います。
会社を選んだポイント
財務状況を調べた上で、見積書の細かさと正確さで信頼できました。
精神的にも肉体的にも大変なリフォームになってしまいましたが、山商さんのお蔭で無事に終わらせる事ができました。今はもう、ただただ感謝です。
工事の終盤では、廊下の羽目板塗装についてやり直しをお願いする事となりましたが、きちんと対応してくれたので問題なかったです。工事を行って頂いた職人さん達は、高いプロ意識でやってもらったと感じています。工程表もすぐに提出してくれましたし、工事が始まってからも小まめに連絡をくれたので、不安は一切感じませんでした。
今後、リフォーム会社選びをされる方に是非知っておいて頂きたいのは、どんな規模の会社であろうと契約前に必ず建設業許可登録とその事実確認を行う重要性です。また、相談にのって貰った弁護士さんのアドバイスでは、リフォーム瑕疵保険の登録審査は、建築関係では厳しい審査の一つだと仰っておりましたので、そちらに加盟している会社かどうかも参考になると思います。
これらは、私が今回のリフォームで学んだ教訓です。もちろん、担当者さんとの相性やこちらの求めるリフォームを得意としているかどうかも重要だと思います。現地調査においては沢山質問をして、どんなふうに応えてくれたかを比較してみて下さい。
やっと工事が終わって住み始めた家はとても快適で、毎日気持ち良く過ごしています。同じような被害者が生まれない為にも、これからリフォームを考えている方の会社選びの参考になれば幸いです。
契約していたリフォーム会社が工事途中でまさかの倒産!紆余曲折のトラブルに巻き込まれたS様が「失敗談」として、その一部始終を語ってくれました。
「途中まで行ったフルリフォームの工事を引き継いで欲しい」
そんなお電話から始まった今回の案件。詳細をお伺いすると、工事をお願していたリフォーム会社が倒産してしまい、途中から引き継いでくれる会社を探しているという内容でした。
弊社としましても一つ返事でご回答できる内容ではなく、事前に資料をお送り頂いて社内精査し「まずは一度、現場確認とお話をお伺いさせて頂いてから…」という慎重なスタンスでお打ち合わせを開始させて頂きました。