賃貸のアパートやマンションに多い、3点ユニット(風呂・トイレ・洗面台一体型ユニット)をそれぞれ独立した部屋に分ける間取り変更のリフォーム費用についてご紹介致します。
もともと3点ユニットが設置されている時点で、何かしらの理由がありますので、その風呂やトイレを別々に分離するリフォームの設計は、細かい寸法まで含めた工夫が必要となります。また、現状の3点ユニットを含む周辺のレイアウトによってプランや費用も変わってきますので、ここでは以前の事例をもとに費用について解説させて頂きます。
3点ユニットをバス・トイレ別々にするリフォーム事例①
東京都港区のマンションの場合
こちらの間取りは典型的な3点ユニットタイプとなっております。脱衣場入口が玄関入ってすぐ正面にあるのも気になるところですね。下の写真は設置されていた3点ユニットと、隣のLDKに備え付けられていた押入の写真です。何故、押入の写真を撮影したかと申しますと・・・
ご提案させて頂いた間取りは、隣接していた押入を大胆に洗面脱衣所の入口に変えてしまうプランです。押入の引き戸は一部の塗装のみでそのまま利用致しました。もともと脱衣所があったスペースをユニットバスに変更し、奥にはトイレを配置して、それぞれが独立した空間となっております。この間取りでしたら、気になる玄関からの視線も解決できます。
【費用考察】
・解体工事 20万円
(3点ユニット、押入、ドア、壁、水栓器具など)
・仮設工事 4万円
(養生費、搬入搬出費、清掃片付け費など)
・トイレ工事 45万円
(床・壁・天井、便器、紙巻器、タオル掛け、照明、入口引き戸)
・洗面脱衣所工事 35万円
(床・壁・天井、洗面化粧台、照明)
・ユニットバス工事 60万円
・洗濯機パン&洗濯機用水栓設置工事 6万円
・補修工事(塗装、内装) 7万円
合計177万円 となります。
【費用解説】
水まわりの間取り変更を伴うリフォームとなっておりますが、商品自体はユニットバス・便器・洗面台ともに最低限の機能を取り入れつつもお値引き率が高く、お客様に安くご提供できる商品をセレクトしております。ユニットバスは据え置き浴槽、シャワー付きの洗面化粧台は1面鏡開き扉、便器は温水洗浄便座ですが一体型リモコン、この辺りが商品価格が安くなっているポイントです。賃貸向けの物件となりますので、それでも充分な設備と言えるでしょう。
また、押入の引き戸をそのまま入口として利用した事で、本来必要な内装工事や建具工事の10万円分程の費用を抑えられた事も大きかったと思います。
3点ユニットをバス・トイレ別々にするリフォーム事例②
東京都豊島区のマンションの場合
こちらのご自宅はシャワールームのみ仕切りがある3点ユニットとなっておりまして、トイレと洗面台は同じ室内に配置されております。これをそれぞれ、浴槽のあるユニットバス・洗面脱衣所・トイレに間取り変更する事となりました。
ご提案させて頂いたプランは、基本的な間取りは大きく変えずにトイレや洗面台の向きを変更する事で別々の部屋となる広さを確保しました。洗面脱衣所はダイニングキッチン側に一部張り出した間取りとなってしまいましたが、キッチン作業には影響の無い範囲となっております。キッチンサイズを変更する事なくレイアウトできた事は大きく、もしキッチン交換が必要となっていた場合は、軽く数十万円の加算が予測されます。
また、こちらのマンションは屋外のベランダに洗濯機を設置する仕様となっておりましたので、ダイニングキッチン(洗面室の裏側)に洗濯機を設置できる様に事前に配管を通しておきました。これで室内に洗濯機を移動する事も可能となっております。
【費用考察】
・解体工事 18万円
(3点ユニット、壁など)
・仮設工事 4万円
(養生費、搬入搬出費、清掃片付け費など)
・トイレ工事 35万円
(床・壁・天井、便器、紙巻器、タオル掛け、入口ドア)
・洗面脱衣所工事 41万円
(床・壁・天井、洗面化粧台、入口ドア)
・ユニットバス工事 43万円
・洗濯機用先行配管工事 3万円
・ダイニングキッチン内装工事 4万円
合計148万円 となります。
【費用解説】
賃貸向け物件のリフォームとなりますので、価格重視のプランとなっております。特にユニットバスについては、キッチンのサイズ変更に影響がでない様、最もコンパクトな1014サイズとなっており鏡もありませんので、その分費用は抑えられております。洗面台も幅60㎝の開き扉タイプで、水栓にホース型シャワー機能は付いておりません。便器のリモコン一体型温水洗浄便座なども含めて、お風呂やトイレを別々にするという目的を果たしつつ、費用をできる限り抑えたリフォーム内容となっております。
3点ユニットをバス・トイレ別々にするリフォームのまとめ
ご覧頂きました様に、3点ユニットから風呂・トイレ・洗面脱衣所を別々にするリフォームでは、限られた空間でコンパクトに間取り変更が実現できた場合、
150-180万円位の相場費用となります。ただし、図面や寸法上だけの問題ではなく排水配管の勾配や換気扇のダクト経路など、設計において考慮しなければいけない点がありますので、その制限を全てをクリアできるプランを導き出す必要があります。
今回取り上げさせて頂いた2つの事例では、いずれもキッチン交換の必要がありませんでしたが、例えば次の様な間取りの場合ですと、キッチンにも工事が影響致します。
ここでは簡単な紹介とさせて頂きますが、キッチン交換が行われている事もあり、こちらはトータルで
約260万円の費用となっております。
この様に物件ごとの状況やご要望に応じた設計・提案が必要となりますので、その工事範囲に伴ってリフォーム費用の変動が生じる事となります。