パントリーとは、キッチンに隣接する食糧庫のことです。ストック品や常温保存が可能な食品を1か所に保存することができ、その様子が一目でわかるため、管理も簡単になります。
生活感のある物が片付くと、おしゃれな小物を飾ったりと「魅せる」収納にもチャレンジできるかも!?
もちろんスペースは必要なので、お部屋の広さや現在の間取りで工事が可能かどうかが決まってきます。
今回の記事では、マンションによくある間取りを4つ取り上げてパントリーを造作したプランと費用をご紹介します。
マンションにパントリーを設置する場合のプランと費用例
1.パントリー設置に必要なスペースの目安をご紹介
2.91万円 リビング収納を利用して工事を最小限に抑えたプランを紹介
3.97万円 キッチンの後ろに洋室がある方向け。キッチン交換不要でパントリーを設置するプランをご紹介
4.146万円 移設のリスクに配慮。キッチンを少し移動してパントリーを設置するプランをご紹介
5.270万円 LDKの中心にキッチン。家族の集まるキッチンを目指す大型パントリープランをご紹介
※金額はすべて税込み表記になります。
パントリー設置 必要スペース
【1】パントリー設置に必要なスペースの目安をご紹介
パントリーを造作するって、どれくらいの工事になるんだろう?
そもそもウチにパントリーなんてできるのかしら?
間取り変更って、キッチンに限らずなかなかイメージつかないですよね?
お宅のキッチンにパントリーを設置するかご検討いただく為に、
どれくらいのスペースが必要なのかをまずはその目安をご説明いたします。
パントリー内に何を収納しようとするかにもよりますが、
棚板の奥行は30~45cmほど必要になります。また、パントリー内を移動するスペースとして60cmは必要かと思いますので、90~105cmあれば、十分な広さのパントリーが造作できるかと思います。
拡張できる場合としては、例えばキッチンの背面に隣接するお部屋が洋室等の場合です。
下記にて具体的な間取りプランをご紹介いたします。
必要なスペースが捻出できれば、キッチンの交換・移設不要でパントリーの設置をすることができますので、ぜひご自宅のキッチン周辺の間取りを確認してみてください。
リビング収納活用 最小限工事
【2】91万円 リビング収納を利用したプラン
広々タイプの壁付けキッチンのあるマンションです。こちらのお宅では、リビング・ダイニング内に大型の収納があるため、その部分をパントリーにあてたプランになります。
メリットとしては、工事の範囲が限定的なので費用が抑えられること。また、キッチンも移設も不要の為、移設に伴う配管のリスクもありません。
一方で、LDKの収納を大幅に削ってしまうというデメリットがあります。収納に余裕がある方や持ち物整理が可能な方向けのプランといえるでしょうか。
【必要な工事】
・LDKの間取り変更工事: 図面上[黄色]部分
【工事費用】
・LDK間取り変更、パントリー造作工事: およそ91万円
(内訳:仮設工事6万、パントリー部分工事51万、LDK部分工事34万)
キッチン交換不要 パントリー造作
【3】97万円 キッチンの後ろの洋室を利用。キッチン交換はせずにパントリーを造作するプラン
通常のマンションでは、キッチン背面に収納がある方は少ないかと思います。
そこで次に紹介するのは、キッチンの後ろ側に洋室が隣接する間取りのお宅にお勧めのプランです。
対面型キッチンのある比較的新しいタイプのマンションではよく見るこのパターン。
隣接する洋室部分にパントリースペースを設置し、キッチンを拡張するプランになります。
メリットとしては、キッチンの交換移設が不要な為、移設のリスクがなく、費用も抑えられます。
一方で、洋室スペースを圧迫するため、生活スタイルや洋室の広さによってはご提案が難しい場合があるというデメリットもあります。今回ご紹介した事例では、既存洋室は5畳くらいの広さですが、改築後は4畳の広さになってしまいます。
ダブルベッドの設置は難しい為、子供部屋などの使用が考えられます。
その他の間取りの兼ね合いでどのようなお部屋使いになるかも大切な検討ポイントです。
【必要な工事】
・LDKの間取り変更工事: 図面上[黄色]部分
・隣接する洋室の間取り変更工事 図面上[緑色]部分
【工事費用】
・LDKの間取り変更、パントリー造作工事: およそ62万円
(内訳:仮設工事6万、パントリー部分工事47万、LDK部分工事16万)
・隣接する洋室の間取り変更工事: およそ28万円
・・・合計で全体の費用はおよそ97万円になります
キッチン最小限移設 パントリー造作
【4】146万円 キッチンを少しだけ移動してパントリーを設置するプラン
対面型キッチンで、背面にトイレ等があり拡張が難しい場合のプランをご紹介します。
このような間取りの場合、そのままですとキッチンの背面にスペースを拡張することが難しいです。
このため、キッチンを必要分前に交換・移設を行い、スペースを捻出するプランをご紹介します。
メリットとしてはキッチンを前に少し動かすだけなので、配管リスクが比較的少なく済むこと、
LDK内に工事が限定されるため、他への影響が少ないことです。
一方スペース設置の関係でパントリーの外に家電収納を設けられず、電子レンジ等を使用する為にもパントリー内に入る必要があるというひと手間があります。
また、キッチンの横にパイプスペースがあるため、キッチンの移設に伴い、キッチンの幅がその分少なくなります。
【必要な工事】
・LDKの間取り変更工事: 図面上[黄色]部分
・キッチンの交換・移設工事: 図面上[オレンジ色]部分
【工事費用】
・LDKの間取り変更、パントリー造作工事: およそ81万円
(内訳:仮設工事6万、パントリー部分工事43万、LDK部分工事32万)
・キッチンの交換・移設工事:およそ65万円
・・・合計で全体の費用はおよそ146万円になります
キッチン 大幅間取り変更
【5】270万円 LDKの中心にキッチン。家族の集まるキッチンを目指す大型パントリープランをご紹介
対面キッチンで背面に拡張できるスペースがない場合の改築後プランをもう一つご紹介したいです。
こちらのプランはパントリーに加えキッチンも背面収納も充実。
有名なリフォーム雑誌にも取り上げられる人気の間取りプランで、おすすめです。
但し、実現には大変な部分もあり…。キッチンの交換・移設に加え、背面収納の造作も行うため、リフォーム費用が高額になりやすいです。また、既存のLDK部分を大幅にDKに充てるため和室を洋室にしてリビングスペースを確保する必要があります。さらに、キッチンを大きく移設することによる工事のリスクもあります。綿密な現地調査のもと、移設が可能かどうかの判断が必要になります。
【必要な工事】
・LDKの間取り変更:図面上[黄色]部分
・キッチンの交換・移設工事:図面上[オレンジ色]部分
・キッチンの背面収納造作工事: 図面上[青色]部分
・廊下内装工事:図面上[紫色]部分
・隣接する和室を洋室にし、LDKを拡張する工事図面上[緑黄色]部分
【工事費用】
・LDKの間取り変更、パントリー造作工事: およそ92万円
(内訳:仮設工事6万、パントリー部分工事57万、LDK部分工事29万)
・キッチンの交換・移設工事:およそ82万円
・キッチン背面収納の造作工事:およそ26万円
・廊下内装工事:およそ16万円
・隣接する和室を洋室にし、LDKを拡張する工事:およそ54万円
・・・合計で全体の費用はおよそ270万円になります