フロートトイレはどうでしょうか?
- 50代
- 東京都
- 男性
- 作成日時 : 2022/12/07 16:16
- マンション
- トイレ
築26年のマンションですが、リクシルかTOTOの浮いているトイレを検討しています。取り付け可不可は調査しないとわからないかと思うのですが、そもそも商品自体のデメリットはありますでしょうか?例えば、流れが悪いとか故障が多いとか。
山商リフォームサービスからの回答
お問い合わせ頂きまして有難うございます。
LIXILのフロートトイレ、またはTOTOのレストパルFといった便器の陶器部が床に接しておらず、宙に浮いている様に設計された浮遊感のある壁掛け便器についてのご質問ですね。間接照明なども組み合わせると、とてもモダンな空間が創出できる商品だと思います。
さて、メッセージを拝見させて頂きましたが、デメリットというよりも設置する上での懸念点としましては、
①ご自宅の排水状況に合致する商品があるかどうか
②設置できる場合の費用面
になってくると思います。
まず①の排水条件について、LIXILのフロートトイレは、2022年12月現在では床排水タイプの1種類のみとなっておりまして、マンションでは壁排水のご自宅も多い為、設置ができない可能性が高くなります。ご自宅が床排水であったとしても排水位置があいませんと、適切な位置に便器が設置できない可能性があります。
TOTOレストパルFは床排水だけでなく壁排水の商品も用意されておりますが、マンション内のPSとの位置関係によっては便器自体が防火区画対応でなければいけないケースがあります。レストパルはこの点で確認が必要な商品となりますのでご注意ください。
以上の①の設置条件がクリアできた場合でも、②として補強工事の費用は悩みポイントとなります。フロートトイレ、レストパルFいずれの商品も、トイレの両端奥の壁裏の角に「隅柱」が存在している必要があります。便器にかかる荷重を支える補強工事として、この隅柱が重要になります。
ご自宅が築26年のマンションということですので、鉄筋コンクリート造であるマンションには、この隅柱が存在していない可能性が高くなります。この柱を設置するためには、通常の便器交換では行わないような、床・壁・天井をスケルトンに近い状態まで解体し、その上で柱を壁裏に「立てる」必要があります。同様に床や壁についても補強条件がありますので、それに準じた下地補強工事が発生します。
新築のマンションであったり、スケルトンリフォームの工事であれば、事前にフロートトイレやレストパルFの導入を前提として、①と②の条件を満たした間取りや下地補強の設計を行っておくことが可能ですが、トイレのリフォームだけを検討されている場合は、設置できる可能性が低い、または設置できたとしてもかなり割高な費用が予想されますので、導入をご一緒に検討する立場としては、慎重な姿勢を取らざるを得ない商品となります。
比較的新しい商品ではありますので、今後メーカーの開発が進み、マンションでも導入がし易い商品へとリニューアルされていく可能性はあると思いますが、現段階では弊社の見解として上記の通りとなります。
また、水の流れについては、水圧条件が設けられているタンクレス便器などと違い、一般的な便器と同様で、便器よりも高い位置(背面のパネル部の中)にタンクがある商品ですので、水の流れが悪いなどの心配はないと思います。
尚、マンションではなく木造の一戸建ての場合でしたら、導入に前向きな検討が可能な商品となっております。よろしくお願い致します。