もし地震で賃貸物件が倒壊した場合、オーナー責任は?
- 50代
- 東京都
- 男性
- 作成日時 : 2017/05/04 09:23
- 戸建
- 耐震
- 賃貸
諸事情で譲り受けた古い木造一戸建てについてです。賃貸にしようかと考えているのですが、築30年以上は経っている建物なので、万が一地震などが起きた場合の不安があります。
不動産仲介の担当者さんは「家はそんな簡単に倒れないから大丈夫ですよ。」と仰っているのですが、リフォーム会社さんの見解も教えて頂きたいです。
山商リフォームサービスからの回答
あくまでリフォーム会社という立場のもととなりますが、頂戴しましたお問い合わせについて調べさせて頂きました。
仮に地震によって賃貸住宅が倒壊し賃借人が死傷された場合、その本人や遺族から貸主(オーナー)へ訴訟が起きる事も予想されます。結論はその判決次第となる訳ですが、過去の判例を調べる限りですと、その方向性は見えて来ました。
木造の一戸建てとなりますと、1981年6月に耐震基準が大きく変更され、新耐震基準が制定されました。あくまで目安となりますが、それまでの旧耐震基準が震度5程度の地震に耐える事を想定した基準であるのに対し、新耐震基準は震度6強~7の地震にも即座に倒壊しない建物を想定しております。
お客様が譲り受けた建物ですが「30年以上」という表現がとても微妙な時期となります。1981年6月より前に建てられている場合、やはり倒壊の危険は高まりますので、耐震補強を行うべきだと思います。ほとんどの建物が倒壊する様な大地震が起きた場合を除いて、補強を行わずにそのままお貸した場合、万が一の際はその責任を問われる可能性があります。
東京都内でしたら、旧耐震基準の建物の場合、耐震診断の助成金制度を行っている自治区も多いので、一度ご相談されてみては如何でしょうか?
また、建物が新耐震基準で建てられている場合、当時の建築基準を満たした建物であれば、責任を問われる可能性は低い様です。ただし、建物の構造に関わる破損や劣化が生じている場合は、修復を行って建物を安全に保つ責任がありますので、定期的な診断やメンテナンスを行う事もオーナー様の役割です。
賃貸物件の場合、入居率を向上する為に費用をかけたい箇所は他にもあると思いますので、耐震工事で大掛かりなリフォーム費用をかける事は悩ましい問題だと思います。実際に、賃貸物件を取り扱うインターネットのポータルサイトを調べますと、旧耐震基準で建築されて、おそらく耐震補強も行っていないと予測される物件も数多く紹介されておりました。
しかしながら、お客様が万が一を想定してご相談頂いた以上、不動産会社の担当者様の様に「家はそんな簡単に倒れないから大丈夫ですよ。」と安易に回答できる内容ではありませんでした。
最終的にはお客様ご自身で判断頂く事に変わりありませんが、以上を参考に検討頂ければと思います。